当院での歯周病治療の流れをご紹介します
歯周病とは
人の口の中には、約100億個の菌がいます。
約半数は良い菌なのですが、ブラッシング不足・体調・ストレス・病気などが影響すると、徐々に悪い菌が優勢になり、歯周病を発症します。
最悪の場合、歯を失う事もあります。
症状としては、歯茎の腫れ、ブラッシング後の出血、口臭などがあげられます。
また、痛みなどの自覚症状がない場合もあり、気付いた時には重度にまで進行している事があります。
早期発見・早期治療が大切ですので、お口に中の違和感に気付いた時にはできるだけ早く治療を受けましょう。
歯周病はお口の中だけでの病気ではありません。
認知症
歯周病の治療によってアルツハイマー病の発症予防や進行を抑えることが期待できます。
糖尿病
歯周病になると糖尿病の症状が悪化すると言われています。
歯周病治療を行うと糖尿病も改善することがわかっています。
心筋梗塞、狭心症、脳梗塞
血流とともに歯周病菌が心臓や肺などに巡ると、血管内で血栓になりやすく心筋梗塞の原因の一つになります。
また、歯周病の人は健康な人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは歯周病菌であると言われており、予防には歯周病のコントロールが重要になります。
妊娠性歯周炎、早産、低体重出産
妊娠中の女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。
治療の流れ
初診時には必ず検査を実施します。
・ポケット検査
「プローブ」という先端の細い器具で、歯と歯茎の境に挿入し、1歯につき6箇所の歯周ポケットを測定します。
また、測定時に出血があるかどうかもチェックし炎症の有無を判断します。
・歯の動揺度検査
ピンセットなどを使用し、歯がどのように動くかみます。
・レントゲン検査
骨の状態、虫歯がないかを確認するためにレントゲン検査を行います。
・口腔内写真
来院時の歯茎、歯の状態を撮影します。
これら全ての検査結果から、貴方が歯周病に羅患しているのか、又歯周病治療が必要か判断します。
歯周病は進行段階によって治療が異なります。
・歯周基本治療
歯周病の治療は担当の歯科衛生士が責任をもって診させて頂きます。
プラークコントロール(ブラッシング指導)
一人ひとり異なる歯並びやお口の状態、磨き方のクセをふまえてブラッシング指導をさせて頂きます。
スケーリング・ルートプレーニング(歯石除去)
歯石は歯ブラシでは落とせません。専用器具を使って歯石除去を行います。
・メンテナンス(定期健診)
歯周病は一度改善してもすぐ戻ります。
ですが、歯科衛生士による専門的なクリーニングを受けることで予防できます。
歯ブラシでは届かない細菌を定期的に除去し、メンテナンスしていくことで健康的なお口を維持していきましょう。
歯周病の進行
歯肉炎(G)
歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)に歯垢や歯石が付着した状態が続いたために、歯肉が炎症を起こした状態です。歯肉が赤く腫れ、ブラッシング時に出血することがあります。歯周ポケットの深さは2~3ミリ程度で、ご自宅や歯科医院でのケアにより歯垢などの汚れをきれいに取り除くことで、症状を改善に導くことが可能です。
軽度歯周炎(P1)
歯肉炎がさらに進行した状態です。歯周ポケットの深さは3~5ミリ程度となり、そこから出血したり膿が出たりして、口臭を感じるようになることがあります。
中度歯周炎(P2)
歯肉の炎症が慢性化し、歯槽骨が溶け始めます。歯周ポケットの深さは6ミリ程度となり、歯が浮いたような感じがある、硬い物を噛むと歯が痛む、ぐらつくなどの症状が現れるようになります。
重度歯周病(P3)
歯槽骨が半分以上溶け、歯根が露出し、歯の痛みやぐらつきがひどくなります。歯周ポケットの深さは6ミリ以上となります。この段階にまで至ると、痛みのせいで食事がとれなくなることもあり、通常の治療だけでは改善に導くことが難しくなるため、抜歯を検討しなければいけなくなります。
詰め物・被せ物 料金
●オールセラミック
120,000円
●メタルボンド(金属にセラミックを貼り付け)
100,000円
●ジルコニア
59,000円
●ゴールドクラウン
小臼歯 70,000円
大臼歯 80,000円
●ラミネートベニア
105,000円
●ファイバーコア
15,000円
●セラミックインレー
59,000円
●ゴールドインレー
小臼歯 50,000円
大臼歯 55,000円
歯を病気から守るために
予防歯科とは、虫歯や歯周病などの病気の予防を目的に行われる治療のことです。当院では、「PMTC」「フッ素塗布」「シーラント」「定期健診」「ブラッシング指導」などの治療により、患者様の歯の健康をお守りします。
これらの治療のうち、特に定期健診を受けられることは、歯の病気を予防する上で非常に有効です。定期健診を受けることで、病気の早期発見・早期治療をはかることができるようになります。
患者様の中には、「歯科医院は歯の病気を治すところ」とお考えになられている方も多いと思いますが、歯科医院は「歯を病気から守るために行くところ」でもあります。是非、その重要性と効果をご理解頂き、歯が病気でなくても当院にお越しになり、予防歯科を受診して頂ければと思います。
定期健診の効果
虫歯の進行スピードは患者様によって異なりますが、基本的には急激に進行することは少ないと言えます。
しかし、定期健診を受けられていない方の虫歯は、歯垢や歯石などの汚れの溜まり具合や、出血、歯がぐらぐらと動くようになるなどの症状の進行が急激で、さらに抜歯の際にはブロックごと抜かなければいけない場合が多いように感じています。
一方、定期健診を受けられている方というのは、虫歯などの病気にかかっても、治癒するまでにかかる時間が短くて済む傾向にありますし、早期発見・早期治療がはかれるため、少ない痛みで効果的治療することもできるようになります。また、治癒までの期間が短くて済むということは、それだけ費用も抑えられるということです。つまり、定期健診を受けられることで、治療期間、痛み、費用といったご負担を軽減することが可能となるのです。
「歯茎から血が出る」というのは想像よりも大変な状態です
歯磨き粉のテレビCMなどで、「歯茎から血が出る」というフレーズが頻繁に使用され聞き慣れてしまっているために、そのようにお感じになる方は少ないかもしれませんが、「歯茎から血が出る」という状態は、想像されているよりも大変な状態です。
ですので、聞き慣れたフレーズだからといって安心せずに、症状をお感じになった時はすぐに当院で治療を受けられるようにしてください。
ご自宅でのケアだけでは取り除けない汚れがあります
ブラッシングなどのご自宅でのケアは、いわば「さっき食べたものを掃除するケア」です。そのため、昨日今日歯に付着した汚れであれば取り除くことも可能ですが、1週間前から歯に付着し続けている汚れを取り除くことは難しいと思われます。
一方、歯科医院でのケアであれば、ご自宅でのケアでは取り除くことのできない溜まった歯垢や固まった歯石などの汚れも、効果的に除去することが可能です。
ですので、毎日の汚れはご自宅でのケアで落とし、その際に落としきれなかった汚れは歯科医院でのケアで除去するといったように、それぞれのケアを併用して歯を清潔な状態に保つようにしてください。
当院の予防歯科メニュー
ブラッシング指導
歯を病気から守るためには、歯科医院で定期健診を受けるとともに、毎日ご自宅でしっかりとケアすることも大切です。しかし、歯に合った歯ブラシを選び、適切な方法でブラッシングしていなければ、高い予防効果は期待できません。
当院では、患者様お一人おひとりの歯の状態やブラッシング方法を確認した上で、適切な磨き方や歯ブラシの選び方などを指導させて頂きます。
PMTC
「PMTC」とは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」の略で、ご自宅のケアだけでは落としきれない歯垢や汚れを、歯科医師や歯科衛生士が専用器具を使ってきれいに除去します。
フッ素塗布
日常の食生活などでも摂取している安全な物質であるフッ素を、歯の表面に塗ることで歯質を強化し、虫歯になりにくくします。フッ素塗布には再石灰化の作用や、虫歯菌が作る酸による歯の溶解を抑制する効果などが期待できます。年に2~4回程度定期的に受けることで、予防効果が高められるとされています。
当院では、イオン導入法によるフッ素塗布を行っております。イオン導入法を行うことにより、フッ素を塗るだけと比べて、より多くのフッ素を歯の隅々にまでしっかりと取り込ませることができるようになります。
シーラント
シーラントとは、虫歯になりやすい奥歯の溝をフッ素の樹脂で塞ぐことで、虫歯になりにくくする予防方法です。永久歯に生え変わり始めた幼稚園から小学校低学年のお子様におすすめです。